トップ > プロが教えるカーケア道場 > 汚れのメカニズムと落とし方 > 【虫の死骸】固着のメカニズムと取り方

【虫の死骸】固着のメカニズムと取り方

虫の死骸の固着を徹底検証 ダメージを受ける原因・メカニズムと修復方法を知る

塗装上ではこうなっています

特に夏場の夜走行すると、次々と虫がアタックしてきます。
そのまま放置すると固着し、塗装をも侵してしまいます。

虫の死骸が塗装面に付着したまま長時間放置してしまうと、体液が塗装面に浸透して変色させたり浸食したりします。 おまけに、虫の死骸のタンパク質が固着してサッと洗っただけでは取れない状況なってしまい、残った虫の死骸が、より塗装を浸食させるケースも多々あります。 付着後すぐに洗い流せば簡単に取れるものなのですが、なかなかそうもいかない場合も多く、残したまま放置しがちになってしまいます。 あまり長期間放置しすぎて塗装を浸食し放題にすると、付着していた部分の塗装が割れたりして、まさに虫食い状態になる事もあります。
また、虫の死骸の被害も、長期間になればコーティング被膜でもあまり効果がないので、できるだけ早く落としてあげた方が良いかと思います。

原因は虫の体液!

虫の死骸は主に夏の夜の走行時に多く付きます。 付いている虫は、蚊がほとんどで、コバエや蛾等の小さな虫の死骸がメインに付着しています。 主にバンパー、ボンネット前方、フロントガラス、サイドミラーによく付きます。
付きたてであれば簡単な洗車で取れますが、固着させてしまうと少々磨いたところではビクともしないところまで固くなってしまいます。 体液は塗装を浸食する力も強いので、早目の除去を心掛ける必要があります。

虫の死骸を除去するには

【分解除去がメイン】
虫の死骸の除去方法として、インセクトリムーバーのような虫取り専用クリーナーが一番簡単に取れます。
虫取りの専用液剤は固着した虫の死骸に浸透し、付きたてのように簡単に洗い落とせるので擦らず楽に除去できます。
もし、除去した後に塗装の浸食が見られたら、ポリッシングリキッドで磨いてあげると目立たなくできます。

↓↓ インセクトリムーバー作業動画 ↓↓

※ こちらの動画は無音です

 

今後の対策を考える

【放置しないで早目に取る】
付着は走行している以上免れないので、付着したら出来るだけ早めに取ってあげた方が良いでしょう。
固くこびり付いてしまうと洗車のみではなかなか取りにくく残りがちになってしまいますので、クリーナーを用いて確実に落としてあげるのが良いかと思います。
また、虫を取りやすくするためのコーティング施工も有効です。 体液の浸透を極力遅める保護膜を張ってあげる事で、体液の浸透を抑え、取りやすくなります。

合わせて読みたい

【鉄粉】付着のメカニズムと取り方

【鉄粉】付着のメカニズムと取り方

鉄粉付着を徹底検証 ダメージを受ける原因・メカニズムと修復方法を知る

洗車して汚れを落としたはずなのにザラザラする鉄粉。白系の塗装に付くと茶色い粒が見えるほどになる場合もあります。 上の左の画像はボディ面にびっしり付着した鉄粉を、鉄粉除去剤にて除去しているう様子です。鉄粉が除去剤に反応して紫色に溶解しているのが分かります。 右のイラストが鉄粉付着のイメージ図となります。洗車して汚れを落としたはずなのにザラザラする鉄粉。  白系の塗装に付くと粒が茶色のため、目視で茶色い点が見えるほどになる場合もあります。鉄粉が塗装に刺さった状態というのは、酸化鉄が塗装表面にくい込んだ状態の事を指します。 その刺さり具合は、状態によって様々で、表面にこびり付いただけの状態から、深くまでくい込んだ状態までバラバラです。イメージ図の右の方の酸化していない鉄粉の場合は、上に乗っているだけなので引っ付くことはないのですが、酸化してくると(錆びてくると)引っ付いたりくい込んだりします。 初めは小さな鉄の粉がボディ面に乗っただけの状態ですが、それが時間の経過とともに錆びてくい込むのが鉄粉付着のメカニズムです。 その付着するメカニズム上、錆びるまでの時間は必要なので、上を向いている面(ボンネット・屋根・トランク等)よりは、車両のサイド面(ドアやフェンダー辺り)や下廻りにはどちらかというと付きにくい傾向にあります。 サイド面や下廻りは錆びる前の鉄の粉が滞在しにくく、逆に上を向いている面は鉄の粉がその場に留まりやすいのでこういう傾向になります。鉄粉が刺さる、とよく言いますが、厳密に言うと空中にある鋭利な鉄粉が直接ボディに刺さるのではなく、ボディに粉の状態で乗った後、錆びて引っ付くという事になります。付着してしまうと、自然に取れることはほとんどなく、撤去作業が必要になります。また、どんなコーティングを施工していても鉄粉は一番上に付着するものなので、コーティング施工の有無に限らず付着します。

【ウォータースポット・イオンデポジット】付着のメカニズムと取り方

【ウォータースポット・イオンデポジット】付着のメカニズムと取り方

ウォータースポット・イオンデポジット付着を徹底検証 ダメージを受ける原因・メカニズムと修復方法を知る

水が乾いた痕が洗車しても全く取れないウォータースポット・イオンデポジット。一度付着するとさらにダメージが進行する厄介者です。 ちなみにウォータースポットは総称です。 平たく言うと水の痕なのですが、その状態によって付着しているだけの時もあったり、凹んでいる時があったり様々です。まず付着しているだけの物はイオンデポジットとか呼ばれ、ボディ面に付いた水が蒸発した際に水の中に含まれる成分(様々なイオン分等)が残った残留物。 一応、上の画像とイラストが、イオンデポジットのイメージ図となります。 その残留物が水のあった場所にクッキリと痕を残してこびり付くとイオンデポジットになります。 雨が降ったりした後に水が乾くのは、車両を使用する上でどうしようもないことですが、大抵は普通に雨が蒸発しただけではそんなにひどい状況までなる事は少ないです。ですが、雨の水分中に含まれるイオン分等の含有量が多かったりした際に、一気に高温で焼かれたりするとガッチリこびり付くことが多いようです。 水分中の成分と、高温がキーポイントとなりイオンデポジットが付着しやすい状況になります。 一般的に雨よりも水道水の方付きやすく、水道水よりも井戸水の方が付きやすいです。 お家のお風呂場や水回りをご覧いただくと分かるのですが、普段水分を拭く事が少ない場所は結構イオンデポジットが付いていると思います。 また、ボディ面が高温になりやすい白い車より黒い車の方が付着率は高くなります。 後、黒い車はイオンデポジットが見えやすくもあります。これらを考えた時に、夏場の黒い車の洗車時などは結構付着確率が高いと言えます。 夏場の洗車後に炎天下の下で自然乾燥などをやってしまうと大抵一撃で付きます。それでも、これは初期の段階でこれが進行してくるとなかなか厄介になります。 一度ガッチリ付着してしまうとイオンデポジットのダムが出来、次の機会に水が付いた時には必ずそこに溜まるようになってしまいます。 そしてさらに高くて丈夫なダムを蓄積していき段々と進行してきます。ちなみに、付着してしまうと軽い物ならば洗車で落とすことも可能ですが、完全に焼けてこびり付いてしまうと普通の洗剤では落ちません。

【ブレーキダスト】(ホイールの汚れ)のメカニズムと取り方

【ブレーキダスト】(ホイールの汚れ)のメカニズムと取り方

ブレーキダスト(ホイールの汚れ)被害を徹底検証 ダメージを受ける原因・メカニズムと修復方法を知る

ホイール表面だけに付く汚れ、表面の粉上のブレーキダストは通常の洗車でも取れますが、焼きついてこびり付いてしまったブレーキダストは強い洗剤でも落とせない汚れになります。ブレーキダストはその名の通りブレーキパッドのダスト等がホイールにこびり付いた汚れの総称です。 粉上の物が表面に付くぐらいなら、簡単に洗車時に落とせるものなのですが、一度焼き付きのようにしてしまうとなかなか取れません。ブレーキダストには、単にブレーキパッドの粉だけでなくディスクの摩擦で出た粉等も含まれ、ホイールはかなり高温にさらされますので、ボディほどやさしい状態では付着してくれません。 完全に焼きついたような物が付着していたり、錆びた物が付着していたり、油系の物が付着していたりと、実に様々な物質が付着しています。色々な混合した汚れが付着していますので、色々な液剤を使い分ける必要があったりしますが、大抵どんなブレーキダストも一気に落とせるような液剤も存在はします。 ただ、ブレーキダストを完全除去出来る液剤はかなり強く、プロでも取扱いに熟練を要するものが多いので、一般的には極力悪化する前に除去する方向でカーケアを行うのが良いかと思います。また、ホイールにも様々な素材があります。 削り出しのホイールから塗装のされているホイール、メッキのホイールまで多種多様です。 素材に合わせた液剤や除去方法を選ばないととんでもない失敗を起こす可能性がありますので注意が必要です。ホイールは高価な物の割に過酷な環境にあるパーツですので、極力安全な方法で早目に除去する事をおすすめします。