トップ > プロが教えるカーケア道場 > 汚れのメカニズムと落とし方 > 擦りキズ【表面キズ】のメカニズムと落とし方

擦りキズ【表面キズ】のメカニズムと落とし方

擦りキズ(表面キズ)を徹底検証 ダメージを受ける原因・メカニズムと修復方法を知る

塗装上ではこうなっています

代表的なものはドアのアウターハンドル部に付く爪の痕。
車は知らぬ間にちょっと擦ったようなキズが蓄積している物です。

写真はドアアウターハンドルの拡大写真ですが、白い車という事もあり爪の痕がよく見えます。
キズが付いた当初から黒いスジになるわけではなく、時間が経過すると汚れや水垢が引っかかり、溜まってしまいこういう見え方になります。
逆に黒い塗装のお車だと、白っぽい線状のキズに見えます。キズが付いた際に、乱暴な言い方をすると傷口がささくれたような状態になり、黒い塗装の場合には白っぽく見えます。
白い塗装の場合は、キズの状態ではそんなに目立ちませんが、汚れてくると写真のように浮き出てきます。
爪が当たりがちなアウターハンドル部分のみならず、車をぐるり見て回ると大抵あちこちに付いているもので、記憶のない何かしらで擦ったようなキズが入っていて頭を抱えることもあるでしょう。
ただ、塗装が完全に削られていない場合(鉄板や下塗りまで出てない)はほとんど目立たなくする事は割と簡単に出来ます。
少なくとも写真のような程度ならば、ほぼ黒いスジは見えなくしてしまえるでしょう。
また、イメージ図にありますように、軽い接触等で相手側の色が付いたり、擦った痕が付く事があると思います。 この場合も塗装が完全に削られてさえなければ、ある程度除去できます。

原因は人為的なもの!

一番代表的なものとしてはアウターハンドル部の爪の痕。 その他、ドアを開いたステップの部分に靴を擦ってしまったり、車に乗り込む際にちょっと物を当ててしまった、荷物を載せる際に当たった、運転していて何かしらの物に接触した等、色々な箇所に擦りキズは付いています。
これらを洗車等行っている際に偶然発見することも多く、知らぬ間にあちこちに付いているものです。
これらのキズが付く原因は、上記のようにすべて人為的なものだと言えるでしょう。
軽い擦りキズ程度ならば、塗装をし直すほどではない場合が多く、やり方さえ間違わなければ意外にも簡単に直せるものなのです。

擦りキズ(表面キズ)を修復するには

【表面の汚れを取り、キズを見えにくくする】
修復の方法として、ポリッシングリキッドでの作業をおすすめします。
引っかかった水垢を洗剤で除去して、黒いすじを取る方法もありますが、キズがそのまま残ってしまうのと、黒系の車にはあまり意味がありません。
そこで、ポリッシングリキッド、いわゆるコンパウンドでの除去をおすすめしますが、あまり強いポリッシングリキッドを使用すると逆にキズだらけになったり、 黒系の車だとかけたその部分が白くぼけてしまったりします。 これだとキズは取れても元も子もない状況になりますので、適切な液剤を選ぶ必要があります。
一般に販売されているポリッシングリキッドは、割と目の粗い物が多いような気がしますので、間違いのない液剤をお選びください。

今後の対策を考える

【何よりも目立たぬうちに】
不意に付くことがほとんどのため完全防御は難しいので、保護膜で覆う形の保護が一番効果的です。
ボディコーティング剤ではこれらを防ぐのは難しいので、予めキズの付きやすい箇所をペイントプロテクションフィルム(塗装面保護フィルム)等を施工して物理的に防御という方法もあります。
何より、目立たぬうちに処理するのが最大の防御とも言えるかもしれません。

関連商品

合わせて読みたい

【虫の死骸】固着のメカニズムと取り方

【虫の死骸】固着のメカニズムと取り方

虫の死骸の固着を徹底検証 ダメージを受ける原因・メカニズムと修復方法を知る

特に夏場の夜走行すると、次々と虫がアタックしてきます。そのまま放置すると固着し、塗装をも侵してしまいます。 虫の死骸が塗装面に付着したまま長時間放置してしまうと、体液が塗装面に浸透して変色させたり浸食したりします。 おまけに、虫の死骸のタンパク質が固着してサッと洗っただけでは取れない状況なってしまい、残った虫の死骸が、より塗装を浸食させるケースも多々あります。 付着後すぐに洗い流せば簡単に取れるものなのですが、なかなかそうもいかない場合も多く、残したまま放置しがちになってしまいます。 あまり長期間放置しすぎて塗装を浸食し放題にすると、付着していた部分の塗装が割れたりして、まさに虫食い状態になる事もあります。また、虫の死骸の被害も、長期間になればコーティング被膜でもあまり効果がないので、できるだけ早く落としてあげた方が良いかと思います。

【ピッチ・タール】のメカニズムと落とし方

【ピッチ・タール】のメカニズムと落とし方

ピッチ・タール被害を徹底検証 ダメージを受ける原因・メカニズムと修復方法を知る

アスファルトの破片等がくっ付いてしまったピッチ・タール。爪で除去を試みたりすると、伸びて余計に目立ってしまうこともあります。ピッチ・タールは、主に車輌の下の方に付着し、白い塗装の車に付着するとこげ茶色の点々が無数に目視できます。鉄粉と色がよく似ているので、小さなものは肉眼では大きめの鉄粉と見分けにくいですが、付着するメカニズムや付着している状態が鉄粉とは全く異なります。 鉄粉がボディの上面中心に付着するのに対して、ピッチ・タールは下廻りに付着します。 タイヤで跳ね上げられた物質が付着しますので、基本的には上面にはほとんどないと言っても良いでしょう。 また付着している状態も鉄粉とは全く異なり、鉄粉が鉄の粉が酸化して塗装に食い込んでいるのに対して、ピッチ・タールはボディ面にガッチリ引っ付いているような付着をしています。 イメージで言えば、固い小さなガムがベチョっと引っ付いているような感じです。塗装に食い込んでしまっている分けではないので、鉄粉とは違いピッチ・タールそのものを溶かしてあげれば綺麗さっぱり取れるものがほとんどです。ただ、稀に茶色い染みを残す場合もあります。 一度染みが付いてしまうと少々の研磨でも取れないことが多々ありますので、特に白系のお車ならば早目に除去してあげる方が良いでしょう。