トップ > プロが教えるカーケア道場 > 汚れのメカニズムと落とし方 > 【ブレーキダスト】(ホイールの汚れ)のメカニズムと取り方

【ブレーキダスト】(ホイールの汚れ)のメカニズムと取り方

ブレーキダスト(ホイールの汚れ)被害を徹底検証 ダメージを受ける原因・メカニズムと修復方法を知る

ホイール上ではこうなっています

ホイール表面だけに付く汚れ、表面の粉上のブレーキダストは通常の洗車でも取れますが、焼きついてこびり付いてしまったブレーキダストは強い洗剤でも落とせない汚れになります。
ブレーキダストはその名の通りブレーキパッドのダスト等がホイールにこびり付いた汚れの総称です。 粉上の物が表面に付くぐらいなら、簡単に洗車時に落とせるものなのですが、一度焼き付きのようにしてしまうとなかなか取れません。
ブレーキダストには、単にブレーキパッドの粉だけでなくディスクの摩擦で出た粉等も含まれ、ホイールはかなり高温にさらされますので、ボディほどやさしい状態では付着してくれません。 完全に焼きついたような物が付着していたり、錆びた物が付着していたり、油系の物が付着していたりと、実に様々な物質が付着しています。
色々な混合した汚れが付着していますので、色々な液剤を使い分ける必要があったりしますが、大抵どんなブレーキダストも一気に落とせるような液剤も存在はします。 ただ、ブレーキダストを完全除去出来る液剤はかなり強く、プロでも取扱いに熟練を要するものが多いので、一般的には極力悪化する前に除去する方向でカーケアを行うのが良いかと思います。
また、ホイールにも様々な素材があります。 削り出しのホイールから塗装のされているホイール、メッキのホイールまで多種多様です。 素材に合わせた液剤や除去方法を選ばないととんでもない失敗を起こす可能性がありますので注意が必要です。
ホイールは高価な物の割に過酷な環境にあるパーツですので、極力安全な方法で早目に除去する事をおすすめします。

原因は走行時!

ブレーキダストは、主にブレーキパッドやブレーキディスクが摩耗し、ホイールにこびり付いたり焼きついたりするものの総称です。 
ブレーキ機器のむき出しているディスクブレーキの車の方が被害が大きく、密閉された中にブレーキ機器が収められているドラムブレーキの方が被害は少ないと言えます。 また、後輪のブレーキよりも前輪ブレーキの方が負担がかかっているためか、前輪側の方が割合多く付着しています。 それから、付着する要因がブレーキ機器の為、ホイールの形状によって付き方は変わります。 塗装されているもの、されていないもの、メッキ等の素材の違いでも付着の仕方が微妙に違ったします。 ちなみに欧州車のブレーキダストの出方は尋常じゃなく、国産車のダストの出方と比べると一目瞭然です。

ブレーキダストを除去するには

【安全な除去方法を考える】
まずシャンプーで普通に洗ってみて、それで除去できれば一番ですが、なかなかそうはいかないのがブレーキダストです。
こびり付きがひどい場合は、当店商品ですと、酸性クリーナーの「サンストライク」が大変有効で、国産車のホイールから輸入車のホイールまで幅広く、こびり付いたブレーキダスト除去に効果的にご使用頂けます。
ある程度までのこびり付きを除去できるのはアイアンドロップの様な鉄粉除去剤か、スーパーウォッシュのようなマルチクリーナーとなります。 付着している状態によって変わりますので一概には言えませんが、どちらかというと、マルチクリーナー系を使用した方が油汚れにも強いため、若干落としやすいような気がします。

作業は、基本的にホイールに付くキズの事を考えスポンジで行うべきですが、素材やこびり付き具合によっては、筆や柔らかいブラシ系のものを使用した方が効果がより高くなりますので、「どうしても落としたい」等の目的によって使い分けるのが良いのではないでしょうか。
また、ホイールの塗装は傷んでいることが多いので、液剤類に対して弱くなっている場合があります。 いきなりホイール全体に液剤をかける様な事はせず、必ずテストで小さな箇所から初め、液剤は必要な部位のみに使用して下さい。
液剤で落とした後は、ポリッシングリキッドで表面を調整してあげるとより綺麗に仕上がります。

(BMWホイール ブレーキダスト除去作業動画)


(サンストライク作業動画)


アルミホイール油汚れ除去作業動画)

※こちらの動画はすべて無音です。

今後の対策を考える

【極力安全かつ早目に】
解説の項でも申し上げました通り、ホイールは高価な物の割に過酷な環境にあるパーツですので、適切な除去方法を用いて、極力安全な方法で早目にこまめに除去する事で、強固なこびり付きを抑える事が大切です。
最近、ホイール専用のコーティング剤も目に付くようになってきて、ブレーキダスト除去が非常に簡単になってきましたので、それらを使用してブレーキダストの固着を未然に防ぐことも可能になってきました。
ただ、ホイールコーティングは固着を最大限に防ぐことが出来ますが、全く固着しなくなるというわけではありませんので、ボディと同様に、あまりコーティング被膜を過信しすぎないで適度にお手入れする事が大切です。

合わせて読みたい

経年劣化【塗装劣化】のメカニズムと直し方

経年劣化【塗装劣化】のメカニズムと直し方

経年劣化(塗装劣化)を徹底検証 ダメージを受ける原因・メカニズムと修復方法を知る

塗装面も時間の経過とともに徐々に劣化してきます。劣化が進行し過ぎると、修復には再塗装しかないような状態にもなってしまいます。 塗装そのものは、その塗装によって丈夫な塗装、弱い塗装色々ありますが、様々な要因で徐々にでも経年劣化を起こしてきます。 一言で経年劣化(塗装劣化)と言っても色んな状態があり、表面のその状態が単なるスクラッチキズの蓄積なのか塗装の劣化した層の部分なのか、大抵は両方がある場合がほとんどでなかなか見分けにくいものです。 基本的にはイメージとして上のイラストのような感じなので、プロが磨き作業する場合は、劣化した色の薄くなった部分とスクラッチキズを一緒に磨いて除去するイメージで作業します。上の写真と断面イメージはまだ割と初期の段階と言えますが、放っておいてどんどん進行させると塗装剥離(塗装が剥がれてしまう)やクラック(塗装の割れ)を起こしてしまい、取り返しがつかなくなってしまいます。 劣化が進み過ぎて、塗装剥離やクラックを起こした場合には再塗装しか手がなくなってしまいます。 その場合の塗装作業も通常の塗装とは違い、古くなって劣化した塗装を一旦剥がしてしまってから再塗装を行わないと、またすぐに劣化したり、塗料が密着せずに剥がれたりします。したがって、劣化塗装の塗り替えは必要以上に手間と時間がかかるために、通常の鈑金塗装作業よりもかなり高額になる事も多くあります。 また、一部分がそういう症状になっているという事は、特殊な場合を除いてはかなり広範囲に及んでいることが多く、それもまた修理費用がかさんでくる要因になります。また、クリア塗装が剥離してしまう前の段階では、薄ら白っぽい膜を張ったような状態になり、やがて進行するとポロポロとクリア塗装が剥がれてきます。 白っぽい膜を張ったような状態になってしまうと既に手遅れの場合がほとんどです。ただ、最近の車の塗装は性能も良くなっており、すぐ劣化してしまうという事はあまりないのですが、油断しないでカーケアメンテナンスを行う事が大切ではないかと思います。

チョーキング【塗装ボケ】のメカニズムと直し方

チョーキング【塗装ボケ】のメカニズムと直し方

チョーキング(塗装ボケ)を徹底検証 ダメージを受ける原因・メカニズムと修復方法を知る

塗装が劣化してきてボディ表面が粉をふいたような状態になる事があります。いわゆる古いガードレールのような感じになり、これをチョーキングと呼びます。 ちょっと拡大しすぎて少々分かりづらいかもしれませんが、上の画像とイラストがチョーキングのイメージとなります。チョーキングのイメージで言う一番分かりやすく例えられる物がガードレールです。 新しいガードレールなら触ってもどうもないのですが、古くなったガードレールを触ってしまい白い粉が付いてしまった経験がおありかと思います。 塗装の表面が劣化してしまいチョークの粉がふいたような状態になる事をチョーキングと言います。塗装はチョーキングを起こしてしまうと粉が噴いた表面が柔らかくなり、艶を戻すのは割合簡単に戻りますが、またその後再発する場合がほとんどです。 また、粉を噴くようなチョーキングはソリッドの単色の塗装の表面に起こっている事が多く、クリアー塗装がされてある車両は、チョーキングの代りに表面のクリア層が白ボケを起こし、さらに進行するとやがてクリア塗装剥離といった状態になります。 塗装劣化全般に言える事ですが、多少ならば割とどの車にも見られますが、極端な状態になってしまうと修復が困難になってしまいますので、そうなる前に対策をしておくのがカーケアのセオリーじゃないかと思います。 とは言え、極端な塗装劣化やチョーキングは、塗装の質による要因も多いかと思います。ただ、最近の車の塗装は性能も良くなっており、すぐ劣化してしまうという事はあまりないのですが、油断しないでカーケアメンテナンスを行う事が大切ではないかと思います。