トップ > プロが教えるカーケア道場 > 車塗装の仕組み > 【パールマイカ塗装】の断面イメージと特徴

【パールマイカ塗装】の断面イメージと特徴

メタリックとは違い、ベースカラーの上にパールマイカを振りかけその上をクリアーで塗装されています。

パールマイカ塗装イメージ図

メタリック塗装のメタリックが微粒なアルミフレーク(アルミの粉)の事に対し、パール塗装のパールとは雲母(マイカ)の事です。 雲母(マイカ)は半透明の膜が幾重にも重ねた構造になっており、光が当たると透過しつつ各層ごとに複雑な反射・屈折をして真珠のような独特の光沢感を生み出します。 上記のイラストは代表的な色であるパールホワイトの断面イメージ図です。(ベースカラーが赤色になっていますが白色に変換してお考えください)
パールホワイトは、ベースカラー(単色)の上にクリアにパールを混ぜられたパールマイカ塗装をふりかけます。 そしてその上にさらにクリア塗装で蓋をする3コート(スリーコート)になっています。要は塗装が3層に重なっているわけです。 パールホワイトは、ベースカラーの色の違いは当然ながらパールの密度や重ねた回数で色の違いが見られるため、補修などの部分的再塗装をする際に色を合わせながら塗装できる熟練技術が必要となります。 極端に言えば塗り方一つで色が変わるという事でなのです。
また、メタリックのように色に混ぜられている塗料もあり、メタリック同様種類が多種多様です。 この場合は3コートではなく2コートの塗装となります。

合わせて読みたい

【ソリッド塗装(単色)】の断面イメージと特徴

【ソリッド塗装(単色)】の断面イメージと特徴

下塗りの上にカラー塗装のシンプルな構成の塗装です。商用のバン等もこの塗装の車が多いです。

ソリッド塗装とは、基本的にカラー塗料の中にメタリックのフレークやパールが含まれていない塗料を塗られた塗装の事を指します。 例えば白、赤、青、黄などの、単一の色目のボディーカラーがソリッドにあたります。 単一色目の色だけ塗装されたものを、一般的にソリッドと呼びますが、この単一色目の色だけ塗装された上にクリアーが塗装されている2コートのソリッド塗装も総称してソリッドカラーとは呼ばれる事が多いです。 最近のはどちらかと言えば単色であるソリッドよりも2コートのソリッドを塗装されている車の方が多くなってきています。 パッと見た目の違いはトップコートのクリアー塗装があるかないかだけなので、違いを瞬時に判断しかねる事が多いですが、表面をポリッシングリキッド等の研磨剤で磨けばその違いはすぐにわかります。 ソリッドカラー(単色)の場合は、機械で磨くときに使用するバフや、手で磨いた際に使用したクロスに必ずその色が付いてきます。 例えば、赤のソリッド(単色)ならばバフやクロスは真っ赤になります。 ただ、トップコートにクリア塗装をされている車でも、バフやクロスにクリアの透明な塗装が付着しているのですが、透明で見えないだけで実際にはバフやクロスに塗料が付いてきています。 塗装面に、スクラッチキズやその他塗装ダメージを受けた際に色の上に直接付くことになりますので、クリア塗装層のあるその他のカラーよりもそれらが目立ちやすいとは言えます。

【メタリック塗装】の断面イメージと特徴

【メタリック塗装】の断面イメージと特徴

シルバーメタリックに代表される塗装色です。カラー塗料の中にキラキラのフレークが入っている塗料です。

メタリック塗装のメタリックとは微粒なアルミフレーク(アルミの粉)の事です。 このメタリックのフレークにはサイズや色などの種類が非常にたくさんあり、通常のカラーの中にフレークを混ぜて塗装された塗装をメタリック塗装と呼んでいます。 身近で典型的なものはシルバーメタリック。 薄いグレーの中に銀のメタリックフレークを混ぜて塗装され、その上にクリア塗装をされた塗装がシルバーメタリックになります。   メタリックのフレークとカラーの組み合わせで構成されるメタリック塗装は、光に反射してキラキラと輝きます。 一見ソリッドかな、と思わせる塗装でも太陽の下や電灯の下で見るとフレークが見え、実はメタリックだったというのはよくある話です。 後に出てきますパールカラーとの違いは混ぜられているフレークの違いで、混ぜられている粒子の違いで区別されています。 必ずメタリック部分の上にクリア塗装のトップコートが塗装されていますが、これはメタリック部分に混ぜられているアルミフレークの酸化・劣化防止に必ず塗装されています。

【キャンディーカラー塗装】の断面イメージと特徴

【キャンディーカラー塗装】の断面イメージと特徴

表面をキャンディーで包んだような色付きのクリアを施された塗装。美しく様々なバリエーションがあります。

塗装の種類にキャンディーカラーというものがあります。 皆様も一度は耳にした事があるかとは思いますが、なかなか面白い仕組みで塗装されているこのキャンディーカラーを少しご紹介したいと思います。 キャンディーからのキャンディーとは飴のキャンディーの事です。 飴でも色々ありますが、よくあるドロップ飴。 赤や青、黄色や緑などの色が着色されていて、なおかつ透明度があります。 そんな飴のような透明の色を塗っていることからキャンディーカラーの名前がついています。 上の写真の方は、少し特殊な加工方法でキャンディー塗装された車の写真ですが、上の右の図はシンプルな緑のキャンディーカラーのイメージです。シルバーメタリックを塗り、その上に通常ならば透明のクリア塗装を塗る事で鮮やかな透明の緑の下にキラキラのフレークが見える状態になります。 この色の面白い所は、単なるシルバーの上に塗るキャンディーカラーの色目で色々な色に変わる事や、素材の上に細工をしてキャンディーを塗る事でできるグラインダータトゥーや ミュータントクリスタルの模様のような事ができるところです。 例えば、シルバーの上に黄色のキャンディーカラーを塗ると鮮やかなフレーク入りのゴールドに見えます。  シルバーのフレークも大粒の粒子を使用したり、様々な見せ方がある塗装です。