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最近のカーコーティング事情 vol.02

時代の流れとともに変化してきたコーティング/WAX~ポリマー~ガラスコーティングの時代へ…

キャッチフレーズ

ガラスでコーティング?

コーティング加工の良し悪しを計る上で一番大事な事は、まず石油系溶剤のコーティング剤であるか、そうでないかを見極める必要があります。
最近、無機系と呼ばれるコーティング剤が出回るようになり、上記のような石油系溶剤のコーティング剤と区別するようになってきました。無機系の代表的なものとしてガラスコーティングがこれにあたり、「石油系のコーティング剤だと酸化するので、酸化しない無機質であるガラスでコーティングします」というキャッチフレーズでよく出回っています。

大きな落とし穴?

配合型の石油系ガラス…

ここでもう一つ大きな落とし穴があります。
石油系のコーティング剤に無機質のガラスを配合した「ガラスコーティング剤」の存在です。
フッ素コーティングやテフロンコーティングといったフッ素やテフロンを配合したコーティングやWaxを見かけたことがあると思いますが、これとよく似ていて、石油系溶剤にガラスの成分を配合してあるもの、も同じようにガラスコーティングとされています。

結局は石油系と変わらず…

結局は石油系溶剤になりますので、耐久性や 長期間持続させようとすると、メンテナンスが必要になってしまうのは変わりません。
「石油系のコーティング剤だと酸化するので、酸化しない無機質であるガラスでコーティングします」 のはずなのに、酸化してしまったり、定期メンテナンスが必須となったりするのはこのためです。

なぜ?

施工性のための犠牲

ここでなぜ、このように石油系のコーティング剤に無機質のガラスを配合した「ガラスコーティング剤」が存在するのか?という疑問が出てきます。
全部がそうとは言い切れませんが、答えは施工性が良くなるからに他なりません。
本当の無機系コーティング剤は、時間と共に完全に硬化してしまうものが通常で、あまりボディに対する知識がない方が何も考えないで塗布したりすると、ムラにしたまま硬化してしまって取れなくなったり、ムラなく仕上げるのが非常に困難だったりします。

知識と技術が必要

特に黒などの濃色の車を扱うには、確かな知識と技術をもっていないと難しく、ディーラーさんや町のモータースさんのサービスマンでは手に負えない「コーティング剤」となってしまいますので、誰でも出来るように施工性を上げる必要あります。
「割と誰が施工しても問題なく施工できる敷居まで下げる」、 そんな理由で、無機系であるガラスの成分を配合した石油系溶剤が出来上がったわけです。

通常3ヶ月程度

割と誰でも出来るようにした「石油系ガラスコーティング」は、施工するのにあたって、専門職である必要がなく、一般の方にも販売されるようになってきました。カーショップ等でも見かけるようになった「ガラスコーティング」がこれにあたり、ここ最近の「ガラスコーティング」ブームに乗って販売されています。
しかし、石油系溶剤を加えたガラスコーティング剤は、施工性が良い反面、耐久性が犠牲にされており、その効果は通常3ヶ月程度のものが多いのではないでしょうか。

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さて、Waxの効果とはどのようなものでしょう? 皆様はなぜWAXを掛けるのでしょう? カーショップに並んでいる商品を見てみると、抜群の保護効果、水がよく弾く、水垢がこびり付かずサッと取れる、見違える光沢、などなど、ここには書ききれないほどの効果が書かれています。 また、車を初めて購入して、一番初めにカーショップ等に買いにいくのがこのWAXだと言われています。 Waxは、ガソリンスタンドさんなんかで掛けてもらうこともできますが、通常は、車のユーザーが、洗車後に自分で掛けるのが一般的なのではないでしょうか。 しかし、1BOX等の大きな車に洗車した後にWaxXを掛けるのは非常に大変です。 特に夏場の暑い日や、冬場の寒い日などは苦行に近いものがあるかもしれません。 そこで生まれた発想というか商品が、「コーティング加工」です。 「1度掛けると面倒なWaxはしばらく必要ありません」という素晴らしい加工なのです。 ○年間NoWax!というキャッチフレーズをもとに、主にコーティング施工店さんやディーラーさんで、液剤を販売しているのではなく、加工の受注を行っています。 が、しかし、本当に「○年間NoWax!」の効果は、の謳い文句のように発揮されているのでしょうか??

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見極め方 非常に多種多様のコーティング剤が世に出回っており、見極めるのも大変です。本当の意味で長期間持続するものの簡単な見極め方は、まず、「コーティング剤が硬化するか」にあります。塗装の表面で硬化するコーティング被膜ができるということは、一旦硬化してしまうと洗剤で流れ落ちたり、雨で流れ落ちたり、自然に蒸発したりしないという事になります。本当の被膜ができるコーティング剤は、液剤を固めるとそのままの形で硬化してしまい、目で見ることのできる結晶になります。 硬化するものの中でも まず、完全に固まってしまう被膜でコーティングする事がなにより先決で、その次には硬化したものの成分が重要になってきます。たとえ硬化したとしても、すぐに劣化してしまうようなコーティング被膜になってしまっていては、あまり持続期間も見込めません。明らかに石油系溶剤でできコーティングに比べると、雲泥の差が出ますが、時間が経つごとに変色したり、劣化するようではあまり長期間のコーティング効果は望めません。 劣化しない物質で そこで重要になってくるのが、劣化しない物質で塗装の表面をコーティングで固めてしまう、という事です。そのために、ガラスのような酸化や劣化の起こらない物質でかためてしまおう、という発想が生まれます。そもそもそれが、ガラスコーティングの最初の発想なのです。本物のガラスコーティングは液体ガラスを使用しており、それがそのまま硬化して塗装を守っています。

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費用がかかってしまう 本物であり尚且つ最高のコーティングをプロの技術で車に施工してもらうのは、できる限りの最高の状態で維持するのにはベストな選択とも言えますが、それに対する時間と労力、そのクオリティの代わりにそれなりの費用がかかります。新車ならまだしも中古車ならば下地処理と言われる、ツヤを出したりするための磨き作業を行い、一般的なガラスコーティングならば車の大きさや状態にもよりますが、5万~10万ほどかかります。その初期費用をかけてコーティングして、適度なところでクリーニング等のメンテナンスを行っていくとコストがかかってしまいます。 完全無欠とはいかない 今現在、どんな高価なコーティング加工でも、一度コーティングするともう何もしなくてもよいコーティングは存在しません。磨耗してしまったり表面に付着する汚れがあったりと、どんなコーティングでも完全無欠というわけにはいかないのが現状です。